近年、クラウドコンピューティングの定義は、従来型のソフトウェアベンダーやマーケットによる誇大広告により、複数の定義が混在している状態です。そのような中でNetSuiteがどのように CloudERPを定義するのかわかりやすく説明することが重要です。この業界をリードするアナリストや先導者が示す業界の“定義”は、私たちNetSuiteが考えるクラウドERPの定義と大きく重ります。
そもそもERPとは何でしょうか?
ERP(Enterprise Resource Planning) (opens in new tab)は、会計や在庫管理、オーダー管理など、企業のリソースを最適化するための業務を管理・監視する機能を備えた幅広いソフトウェアで構成されています。クラウドERP、または、SaaSにて提供されるERPは、サービスを提供するベンダー側がデータセンター内に構築したERPを構築され、また通常契約ベースで顧客にインターネットを介して提供されます。クラウドERPにおいて重要な点はデータモデルを共有することです。注文、顧客、在庫やその他の重要なデータを一つのシステムで管理し業務を円滑に実行します。
クラウドアプリケーションでは、顧客全員が共有で統合されたマルチテナント方式の単一のインスタンスで構成されるソフトウェアを利用します。アップデートは定期的に予定に基づき自動で行われ、これによりユーザーが最新版のシステムを常に活用出来るのです。複数のインスタンスをホストするソフトウェアベンダーが自身をクラウドプロバイダーと呼んでいる場合がありますが、実際には企業のアプリケーションをホストしているだけであり、クラウドソフトウェアを提供しているわけではありません。このような事業者は、真のクラウドERPプロバイダーが顧客に提供する方法でカスタマイゼーションを適用したり、スケールメリットを還元することはできません。
クラウドERPを選ぶ5つのポイント
クラウドを基盤としたERPを評価する際、クラウドソリューション選定時に以下の5つの特長を理解する必要があります。
・ マルチテナンシー。リソースを共有してスケールメリットを最大にするため、マルチテナントアーキテクチャのシステムを利用しなくてはなりません。これにより全ての人が同じバージョンのソフトウェアを使用して、研修、アップグレードやテクニカルサポートに最大限投資ができるようになります。クラウドプロバイダーはより多くの資金を投入し新機能を提供することができ、また顧客は安定性とコスト削減の両方からビジネス効果を得ることが出来ます。
・ 容易なカスタマイズと自動アップグレード。自動でシステムのアップグレードができ、ダウンタイムが皆無かそれに近いものでなくてはなりません。また、システムに実装したカスタマイズも新規リリースに引き継ぎ、顧客がアプリケーションの個別アップデートをしなくてもいいようにしなくてはなりません。
・ ベンダーの技術:クラウドの需要増大により多くの新規参入企業が見受けられます。ユーザーはベンダーの技術力を慎重に検討しなくてはなりません。大手企業や従来のベンダーに買収された立場にあるクラウドERPベンダーは、顧客に今後の方向性を示さずに市場から消えることもあれば、一連のベンチャー企業の支援が今後数年にわたり企業に製品サポートやアップデートをすることができるというわけではありません。企業にとってERPは長期的な展望が必要なのです。
・ 定評のある実績。クラウドERPベンダーは、大手であれ小規模であれあらゆる業界における機能を保証し多数の顧客をサポートできなければなりません。更に少なくとも99%の稼働率を保証するサービスレベルアグリーメントを有することが重要です。また、クラウドERPベンダーは最低でもSSAE16(SOC1)、PCI-DSSやUS-EU Safe Harbor frameworkなどの業界をリードするセキュリティ認証を遵守できる必要があります。
・ 定期的なバックアップおよびティザスタリカバリ機能:クラウドがもたらす主な効果の一つとして、バックアップやリカバリが定期的に自動で行われることがあげられます。そのため、インターネット回線や予備電力、データセンターのアーキテクチャに目を向けることも重要です。気象異常に見舞われることの多い地域(ハリケーンの多いフロリダなど)にデータセンターが設置されているようあれば、予備のリカバリーデータセンターが別な地域にあることが望ましいでしょう。